最高 – それ以外の言葉はない
最高のパフォーマンス、最高のサポーター、そして最高のクロップだった。
まずは、クロップ監督についてだ。ヨーロッパリーグ決勝へ進むために彼が選んだラインナップに誰もが意表をつかれた。フィルミーノかスタリッジか、それは彼が下さなければならなかった最も難しい選択だったが、クロップはシンプルに両者を使い、そして彼らはそれにプレーで応えた。
前回リバプールがヨーロッパの舞台で準決勝まで進んでいたのは2010年のラファ・ベニテス政権の末期で、アトレティコ・マドリードに敗れたときである。監督がラファだったとしても、恐らくビジャレアル戦への打開策を見出だせたと思うが、この危険な賭けに打っていけるだろうか。
攻撃的なメンバー起用は、ヨーロッパでも有数のカウンターをするチームを相手に裏目に出たかもしれない。しかし、アンフィールドの周りや観客席、ベンチやピッチの全員はクロップを信じていた。この試合、選手はみんな輝いていた。全員が古い諺にあるように、それぞれの役割を果たした。
そして、それと同じようにアンフィールドのサポーターたちも最高だった。メインスタンド改修にあたって初めての新シートも今週持ち込まれたが、ここからさらに8500席増える予定だ。まだ時間はかかるが、もうすぐ彼らの声が聞けるだろう。スタジアム内の他の43000人と同じように。
ドルトムント戦のような劇的な展開は必要なかった。どちらかというと、それがよりこの勝利を印象的なものにしている。
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完全に赤い戦士に育ったロヴレン
もしチームを活気づけるタックルがあるとしたら、それがまさにそうだった。
デヤン・ロブレンが前半でみせたタックルは、ビジャレアルで最も危険なプレイヤーであるセドリック・バカンブの攻撃を止めただけでなく、リバプールを反撃にむかわせた。クロップも彼を賞賛しており、試合終了後も圧倒したパフォーマンスにサポーターからの歓声が響き渡った。この試合は生まれ変わったロヴレンにとって終始良いものだった。試合の後半にKOPスタンドの前で見せた、バカンブへのブロックでも大きな賞賛を浴びていた。
彼は試合前の記者会見でも素晴らしく、イエローカードを受けようが前に進むとしていた。
「いつもどおりプレーする」
そして彼は最高のプレーを見せた。
「僕らのシーズンが成功といえるのかはこの大会にかかっている」
頼りになるコロ・トゥレの存在もあり、ロヴレンは今や紛れも無くリバプールがサウサンプトンから彼を獲得した当初に思い描いていたデフェンダーになっている。落ち着き、統率され、そして上手くゲームを読んでいた。彼は求められる全てに対応し、最小限のピンチに食い止めた。そして右サイドや左サイドを駆け上がって攻撃にも参加した。そしてそれは効果的だった。
彼は傑出した勝利を挙げたドルトムント戦よりも多くのものを提示する必要はなかったが、彼はそれに応えた。彼はどこから来たのか、これがあの時話していたデヤン・ロヴレンだろうか。
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完璧なタイミングで復帰したエムレ・ジャン
5試合の欠場で済むと思っただろうか。
監督のギャンブルによりジャンには多くの役割がのしかかっていたが、心配は無用だった。エムレ・ジャンはブレンダン・ロジャースがいつも言っていた「ロールスロイス」に相応しい活躍を見せた。このようなチームが一体化したパフォーマンスでは個別の誰かを選ぶのは難しいが、ジャンのパフォーマンスは同じような活躍を見せたジェイムズ・ミルナーよりも上だった。
彼はバイタルエリアでのチャレンジにも勝ち、ボールを両サイドへ展開し、ビジャレアルが求める全てを高いインテリジェンスで対応した。そして最後の10分ではベテランのように落ち着き、前線へボールを運んでいた。
彼は22歳だ。すぐにそれを忘れてしまう。彼はただのドイツ人プレイヤーでなく、リバプールのシーズンを印象深いものにするために欠かせない存在である。
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来シーズンが楽しみなフィルミーノ
ほとんどの選手はイングランドの激しいフットボールに適応するのに、1年から1年半はかかると言われている。ロベルト・フィルミーノもまたそのような期間が必要だと思われていたが、全然少なくて済みそうだ。10ゴール、たくさんのアシストやパス出しはもっと増えることが期待される。
このヨーロッパの舞台で特別な調整は必要と思われていなかったが、フィルミーノには率直に驚かせてくれた。彼はピッチのどこへでも素早く現れ、クレバーなパスを供給し、フリックし、体力の限りプレスもした。
多くのアシストの始まりとなった一点目はクラインの絶妙なクロスのこぼれ球を中央へ返し、得点を演出した。2点目はスタリッジへの貴重なボレーパスだろうか?それで間違いないだろう。そして3点目は左サイドをえぐってパスを出し、精力的に駆け上がったララーナの得点につながった。
それでも彼の最高の瞬間は?
ビジャレアルサポーターの目の前で見せた、悪役ソルダードをかわしたルーレットだ。なんて夜だ。なんて選手だ。来年彼はどこまでいくだろう。
この日はブラジルのドゥンガ監督がコパ・アメリカのメンバー選考で彼を外した日でもあった。彼は何を見ているのだろう?
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アンフィールドでエンドを変えるのは常に良いアイデアではない
それはもう何十年も前のアンフィールドへ訪れるアウェイチームが行う戦術である。
コイントスに勝ち、エンドを入れ替えることは、リバプールが前半にKOPスタンドへ向かって攻めることを意味する。ビジャレアルは自ら進んで、前半からリバプールが多くのファンの待つスタンドへ向かって攻めるようにした。
これは常に効果が出るとは言えない。エヴァートンもマージーサイドダービーで同じ事を試みたが、前半で2点を失い、それを挽回することは出来なかった。
リバプールは片方のスタンドからだけ素晴らしく熱狂的な声援が聞こえるわけではないのがこういったケースから分かる。歌声はアンフィールドロードスタンドやセンテナリースタンドからもKOPスタンドに負けないくらい響き渡る。そうして、前半にKOPスタンドへ向かって攻めることは、リバプールに勢いを与えた。
チームバスを歓迎した何千ものサポーターや、試合開始前のヒルズボロの判決を表した’96 – the greatest football family’のモザイクで既に戦いに向けての気持ちは最高潮に達していた。
クロップは選手たちは準備ができていると約束したが、実際にそうだった。
息を飲むような前半、リバプールは7分でスコアをイーブンに戻した。これは彼らが決して諦めないというクラブの歴史的なものを表している。
リバプールはバーゼルへ向かう。
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ロヴレン絶賛されてますが、最近の彼は本当にすごいですね。彼がこのままのパフォーマンスを維持できるのであれば、センターバックの一人はロヴレンで大丈夫そうですね。相棒はサコーは厳しいでしょうし、シュクルテルも正直復活出来る気がしないし、、コロ・トゥレは控えでしょうから、ここが補強ポイントですね。
そしてエムレ・ジャンも復帰して彼の重要性に改めて気付きました。。彼の持ってるキャプテンシー含めて本当に欠かせない選手になりました。
フィルミーノもビジャレアル戦はキレッキレで記事にあるように、本当に来シーズンが楽しみですね。
YNWA!
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