「ユルゲン・クロップがリバプールで直面する問題とは」

Jurgen Klopp  Too good to be true  The hurdles he must overcome at Liverpool FC to become  perfect fit    Liverpool Echo

 

人々は皆、クロップとリバプールが完璧にマッチしてると言うが、両者にはそれぞれ解決しなければならない事がある。

 

ユルゲン・クロップはリバプールFCに完全にピッタリだ。

 

フランツ・ベッケンバウアー、ジェイミー・キャラガーはそう言った。ボルシア・ドルトムントのキャプテン、マッツ・フンメルスもそう言った。他にも、ディートマー・ハマン、シュテファン・エッフェンベルク、ヨアヒム・レーヴ、グレアム・スーネス、ジェイミー・レドナップ、マイケル・オーウェンらも同様の事を言っている。

 

それぞれこれからアンフィールドの実権を握るクロップについて意見を求められると、全員がそう同意した。クロップがリバプールへ来ることは筋が通っている。

 

本当に疑う余地がない。リバプールとドルトムントの間にある類似性も明白であり、クロップがマージーサイドで直面するタスクも同様である。彼はブンデスリーガでは2つのタイトルを獲得し、チャンピオンズリーグ決勝にチームを導くなど多くの成功をもたらした。リバプールでも同じかそれ以上のことが期待されている。

 

しかし、フットボールでは論理や理屈がほとんど重要にならない場合がある。危険なことに、クロップはドルトムントと同じようにリバプールを蘇らせると熱狂させている。

 

もちろん彼には能力があり、それに疑いはない。ワールドカップ優勝経験者やリバプールのレジェンド達やマイケル・オーウェンらの著名人がそう予想しているには正当な理由がある。簡単ではないが、思い違いではないだろう。

 

彼は既に忍耐を呼びかけ、入団会見で彼は次のように言った。

 

「今こそリバプールファンは知性を見せる時だ」

 

以下はクロップ新監督が直面するであろう問題であり、彼は期待に応えるためにこれらを解決しなければならない。

 

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ゲーゲンプレッシング

 

ゲーゲンプレッシングは新しいティキ・タカだ。これは新しいアマゾンやネットフリックスのシリーズではないが、最新の戦術の流行である。

 

ペップ・グアルディオラのバルセロナで有名になったティキ・タカのように、ゲーゲンプレッシングも複雑な戦術を表すキャッチーな言葉だ。短くまとめると、ゲーゲンプレスはハイテンポで試合の始めから終わりまで相手に向かってプレスをかけ、ボールを失ったら素早く取り返すようなスタイルである。

 

プレミアリーグにはピッタリのように聞こえるが、このスタイルはドルトムントで行われ、リーグタイトルを連覇した。クロップ自身もスペースを作り出すためにこのスタイルがベストだと発言していた。

 

しかし、ゲーゲンプレッシングは元々ウィンターブレイクのあるリーグで行われていたもので、しかも年間34試合しかないリーグだ。彼らの1つめの優勝である2010-2011シーズンは44試合しかプレーしていない。次のシーズンは46試合だ。38試合あるプレミアリーグに加えヨーロッパリーグ、そして国内の二つのカップ戦がある中で、体力を要する試合を続けるのは難しいように思える。

 

今のところ表面化していないが、別の懸念もある。このゲーゲンプレスというスタイルがどこまでイングランドフットボールのスタイルに合うのか。さらに、戦術はコンスタントに進化し、そのインパクトは薄れていくものである。

 

クロップは一つのビジョンだけでなく、必要に応じて適応していくと言っているが、これは彼にとって重要な要素を占めることになりそうだ。

 

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構造・体制

 

クロップはクラブ内部に入って多くのことを成し遂げてきた。ブレンダン・ロジャースのアンフィールドでの最後の6ヶ月は、それまで彼がやらなければならなかったものの中心にいて、とてもフラストレーションのたまるものだった。

 

厳しく批判され、しばしば間違って解釈される移籍委員会は最近、サポーターや外部の者達から多くの注目を浴び、特にリバプールがクロップへの関心が明らかになってからはそれが増した。

 

いくつかの神話は壊されなければならない。クラブにとって移籍を決定するにあたり分析するのは珍しいことではなく、監督にとっても複数の話を聞くのは珍しくない。実際に、クロップはこれをドルトムントで行っている。それ自体は構造的な問題ではないが、いかに良く実行されているのか。

 

今のところはあまり良くいっていない。しかしながらクロップはアンフィールドへ向かうという契約に同意するのに10秒もかからなかったと言う。

 

過去3年間の移籍市場でのパフォーマンスからすると、信頼するのは難しいが、それらの時間は新しい監督に応えることも含まれていた。

 

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ライバル達

 

クロップはドイツではバイエルン・ミュンヘンと争っていた。彼のドルトムントは金銭面では競争する必要はなく、どこの戦力が大きいかを見るということはしなかった。ドルトムントが優勝した2シーズンにおいて、彼らの収支は-20万ポンドを超えたくらいであり、支出も2シーズンで1200万ポンドくらいである。

 

しかしイングランドでは、もっと多くのクラブと争わなければならない。もちろんブンデスリーガの全てが貧乏クラブというわけではない、とりわけシャルケ、バイエルン・ミュンヘン、ヴォルフスブルクらは近年多くの費用を使っている。イングランドでの選手の給料とその選手たちの価値をランキングで示すとリバプールは5位となっており、すなわちTOP4へ入るには多くの努力が必要とされる。

 

もちろんクロップにとっては重要なことではないようで、プレミアリーグでは7チーム以上が優勝を狙えるが、最終的に優勝するために金が決定的な要素になるとは思えないと彼は言っている。

 

おそらくイングランドの監督はこれまで以上にタフな仕事になるだろうが、彼は思い違いはしていないだろう。

 

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期待と順応

 

クロップがドルトムントで監督を引き継いだ時、チームは長い危機的な状況の中にいた。2000年代中盤には数シーズン中位にいたが、その後9位、クロップが到着する前には13位にいた。マインツ時代に彼はドイツ内で最もエキサイティングな若い監督という評判を得ていたが、その後の成績を期待したものはもちろん、予想できたものはほとんどいない。6位、5位、1位だ。

 

それによって彼はヴェストファーレンシュタディオンに成し遂げたもの以上のものを期待してアンフィールドに迎え入れられている。彼は自信を持ってそれに答えており、時間が欲しいと言っている。多すぎる時間ではなく、必要十分なほどの時間だ。クロップ到着の熱狂の後で、それが出来るとは思えない。見当はずれなパスに対して不平も言わず、アンフィールドで彼のスタイルが機能しなかったとしてもため息は無しだ。

 

これらはどの新しい監督の場合でも同じだが、選手たちは既にそのクラブの選手たちである。クロップにしても「完璧にマッチしてる」と言われたのは既にいる選手たちであり、ドイツで好評だったフットボールスタイルだ。しかし、どのチームでもそういうわけではないだろう。おそらく監督、選手、ファンたちに忍耐は求められる。

 

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しばらく更新出来ていませんでしたが、その間にブレンダン・ロジャース前監督が解任、そしてユルゲン・クロップ新監督就任が決まりました。

 

まず、ブレンダン・ロジャースに関しては、個人的にはとても応援していた監督だったので、しばらく前からの迷走ぶりから今回の解任にいたる流れは残念です。ただ、戦術に柔軟性もなく、弱点である守備はずっと放置していてはこのレベルだと厳しかったですね。。あと大舞台に弱いのもファンからの支持は得られにくかったでしょうね。とはいえ、とても哲学がある監督だと思ってますし、ハマれば面白いサッカーをすると思いますので、今後訪れるであろう新天地での活躍を祈りたいと思います。

 

そしてクロップ。僕はずっと名前が出ていた中ではアンチェロッティが良いなーと思ってましたが、結果的にはクロップが良かったと今は思ってます(まだ何も起きてませんが・・)。 ただ、彼の持っているキャラクターや明るい性格のようなものは確実に今のリバプールのチーム状態にとってプラスに作用するのではないかと。

 

この一週間で本当に色々な動きがありましたが、今後どうチームが変わっていくのかワクワクしますね。

 

YNWA!

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2 Responses

  1. 匿名 2015/10/13 / 00:26

    いつも楽しく拝見させてもらってます。
    僕もロジャース好きでしたがww
    最近のリバプールはフロント(移籍関係?)にも問題があると思っていたので、就任と同時にトランスファー委員会の最終決定権がクロップにあるというのは、いい方向に転がりそうで期待できます。ただ、優勝するにはあと、3.4年くらいかかりそうかなぁと、なんとなく とにかくクロップに期待大です!

  2. fukt 2015/10/13 / 13:46

    コメントありがとうございます。
    移籍関係は前監督の失敗を見ているのでその辺の契約関連は慎重にやったでしょうね。とにかく自分はチームとアンフィールドの雰囲気を変えてくれることをまずは期待しています!

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