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“ヒステリー”は1勝では終わらない
リバプールはどん底に落ちたところから辛うじて戻りはじめた。
新聞各紙はブレンダン・ロジャース監督が6試合勝ち無し、プレミアリーグでのここ15試合で16ポイントしか取れていない散々な成績による解任記事の準備をしていたが、アストン・ヴィラの自信の無いパフォーマンスの助けも借り、彼らはようやく躓きながらも勝点3を加える事ができた。ロジャースは、彼の解任をほのめかす過剰な批判を否定した。
しかし、士気を押し上げる勝利という結果だが、この僅差での勝利では対戦相手の少し上を行っているにすぎない。リバプールは2度2点差をつけた時に突き放すべきだったが、昨年もブラックバーン戦で対戦したルディ・ゲステデは一枚上手だった。
アンフィールドはきっぱりとチームを支え、かつてタイトルに挑戦していたシーズンの曲「poetry in motion」がTV中継でさえ聞けた。それははるか遠くからだったが、ブレンダン・ロジャースは気にしないだろう。それでも彼はキャリアにおいて恐らくもっとも重要な3ポイントを手にしたのだ。
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完璧な状態でなくても違いを作れるスタリッジ
はっきり言って、ダニエル・スタリッジはフィットしていないように見えた。確かに彼のコンディションはかつての状態からかなり遠いところにあるようだった。
それでも彼が2つの卓越したゴールを決めチームを勝利に導いた事実は、彼のような生まれながらの点取り屋が素晴らしい価値をチームに持たらすことができるという証だ。これがリバプールが払ってきた大きな損失であり、ブレンダン・ロジャースは試合後に「難しい理屈ではない」と語った。
リバプールはスタリッジの復帰を成し遂げている。週に1試合のペースでだが、正直に言うと、前半では微妙にみえた。彼の動きは控えめで、自信も低下していた。一度、彼はアンフィールド・ロード側へボールを追いかけたが、馬車が走っているような想い動きでとても追いつけないように見えた。遅く重々しく、彼は長期離脱から復帰した選手の典型のようだった。
しかし、彼の左アウトにかけた美しいボレーシュートが全てを変えた。突然彼は変わり、すぐにコウチーニョとの見事な連携から2点目を決めたが、グザンによってハットトリックは阻止された。
彼の最後の得点は3月で、マンチェスター・ユナイテッドとの負け試合でのゴールだ。この試合がリバプールの不調のスタートにあるといえるだろう。彼はその後、FAカップのブラックバーン戦に出たのみで、負傷し手術のためにアメリカへ向かっていた。
彼は求められているところからはまだかけ離れているが、本調子になったらどれだけのことをやるだろうか。
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期待通りの活躍をみせるミルナー
ジェイムス・ミルナーは前半20分で温かい拍手を受けた。もちろん彼の開始1分のゴールは各チームの明暗を分けていたが、驚くのはアストン・ヴィラのファン達がリバプールのキャプテンの名前を歌っていたことだ。ミルナーは彼らのために126試合を戦い、2008年から2010年で22ゴールを決めている。
リバプールファンも拍手を送ったこのシーンは、真のプロフェッショナルなミルナーが5年前に離れたクラブから未だに愛されていることを表している。彼がこの夏、マンチェスター・シティーからリバプールに移籍した時も似たような反応で、多くのシティーファンは彼の移籍を残念に思った。
ミルナーはここ数試合は苦しんでいたが、おそらくジョーダン・ヘンダーソンの不在によるものだろう。この試合、彼はどこにでも顔を出し、キャプテンとしてチームを押し進めた。試合開始直後の左足でのゴールでチームを景気付かせ、華麗なワンツーで2点目となるスタリッジのゴールをアシストした。全てが上手くいったわけではないし、今後もセントラルミッドフィールダーでプレーすべきかを見極められる。コーナーキックは明らかに改善が必要だ。
しかし今のところ「確実」なのは、夏の移籍市場において我々が感じた通りに彼はプレーしているということだ。
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パスマスター、ルーカス
この試合での彼は我々がよく知っている危険な時に現れて対処するという彼ではなかった。もちろん、そのような役目をこなしていたが、ルーカス・レイバはこの試合のベストパサーだった。
それはデータによって証明されている。ルーカスは100本のパスを送り、92本が成功している。その次がサコーの71本であり彼はルーカスよりも安全な深い位置でのパスが多い。ルーカスを単純な間に合わせのセントラルハーフと考えてはいけない。一番多くパスを送ったのは同じブラジル人のフィリペ・コウチーニョへの26本だ。
彼は今後リバプールで毎試合出ることは無いかもしれないが、最長在籍の彼を公平に判断する価値がある。
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守備陣の問題は?
単純に1失点では収まらなかった。
アンフィールドへ来て自信とアイデアに欠けるアストン・ヴィラ相手にさえ、ナーバスはバックラインは健在だった。ブレンダン・ロジャースが3バックに変更し、モレーノの左サイドには守備的なバランスが必要となっており、またもクリーンシートはお預けとなった。
前半はアストン・ヴィラのポゼッションは22%であり、リバプール守備陣には楽な時間であった。後半には、エムレ・ジャンはゲステデの侵入を許し、彼の元にストレートにボールがやってきた。シュクルテルとサコーは2点目のシーンではミニョレの前で酷いお見合いをしてゴールを許した。ゲステデの空中戦の強さは目を見張るものがあり、昨シーズンのFAカップのブラックバーン戦で彼が見せた通りで、この試合もっと彼にクロスが上がっていればリバプールは敗れていたかもしれない。
マルティン・シュクルテルはタトゥーに負けない力強いプレーをする必要があり、バックラインはアグレッシブになり失点を抑えなければならない。
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アストン・ヴィラ戦、スタリッジの前半は確かに体が重そうでしたが、後半にしっかり2点決めるところがやっぱり存在感の違いを感じさせます。彼が長期離脱してチームが傾くのもまあしょうがないと思いつつ、今季これからは監督がどうなろうと、彼の稼働率によって順位が大きく変わりそうですね。
それにしても、ミルナーが来てくれなかったら、ルーカスが移籍してたら、と思うと本当にゾッとしますね・・・。
YNWA!
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